デイリー経済情報

2025年9月23日の経済情報まとめ|株式・債券・為替・金

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経済・金融ニュースは毎日あふれていますが、「結局どの情報が重要で、なにが相場が動かしているのか」を短時間で把握するのはなかなか大変です。

このブログでは、ブルームバーグやロイターなど信頼できる海外メディアを情報源に、日米を中心に要人発言や経済指標といった重要な経済ニュースをピックアップし、情報を読みやすく再構成してお届けしています。単なるニュースの要約にとどまらず、投資やトレードに活かせるポイントを意識しています。

例えばこんな方におすすめです:
・忙しくてニュースをじっくり読む時間がない方
・トレードにファンダメンタルズ分析を取り入れたい方
・経済ニュースの見方を効率よく学びたい方

記事を読むことで、情報収集の手間を減らしつつ、投資判断や知識の整理に役立てることができますので、ぜひ日々の情報収集にご活用ください。

今回は、2025年9月23日の経済情報(株式・債券・為替・金)についてポイント解説します。

米国株式市場

  • 主要3指数がそろって反落、特に大型ハイテク株が下落
  • パウエル議長が追加利下げ時期を示さず、慎重姿勢を維持
  • 関税によるインフレ加速懸念が売りを誘発
  • 短期的な過熱感や利益確定売りも反落の要因
  • 中期的には利下げ局面と企業業績の堅調さが株価を支える見通し

米国株式市場の動向

  • S&P500:6656.92(-0.55%)
  • ダウ平均:46292.78(-0.19%)
  • ナスダック:22573.47(-0.95%)

23日の米国株式市場は主要3指数がそろって反落しました。

前日までの最高値更新から一服感が出たことに加え、アマゾンやエヌビディア、マイクロソフト、アップルといった大型ハイテク株の下落が目立ちました。


下落要因

パウエルFRB議長の発言が慎重姿勢を示したこと

パウエル議長は23日の講演で、10月のFOMCでの利下げについて、明確な時期や規模を示しませんでした。

市場が期待していた追加利下げへの明確なサインが得られなかったことが売り材料になりました。

関税によるインフレ加速への警戒

パウエル議長は、関税がインフレを押し上げる可能性があることを示唆し、利下げに慎重な姿勢を維持しました。

利下げに慎重な姿勢があると、金利がしばらく高いままになります。

金利が高いと、企業はお金を借りるコストが下がらず、新しい投資や事業拡大がしにくくなり、株価にマイナスの影響が出やすくなります。

短期的な調整局面入り

主要株価指数は5か月近く上昇が続いており、利益確定の売りや短期的な過熱感が意識されました。


米国株式市場の全体総括

米国株は前日までの過去最高値更新から一服し、追加利下げへの期待がやや後退したことや大型ハイテク株の下落が重しとなり、主要3指数が反落しました。

ただし、中期的には利下げ局面・AIブーム・企業業績の堅調さが依然として株価を下支えしており、強気相場の基調は崩れていないとみられます。

今後はFRBの利下げペースや経済指標の動向が次の方向感を決める重要な要因になります。


米国債市場

  • 国債利回りが低下、投資家の安全資産志向が強まる
  • パウエル議長が雇用の弱さとインフレリスクを指摘、追加緩和の余地を残す
  • FRB高官の一部が早期利下げの必要性に言及
  • 2年債入札の需要が堅調で、国債への買い圧力が強まる

米国債市場の動向

  • 米30年債利回り:4.72%(前日比 -0.80%)
  • 米10年債利回り:4.11%(前日比 -0.89%)
  • 米2年債利回り:3.59%(前日比 -0.41%)

23日の米国国債市場では国債利回りが大きく低下しました。


利回り下落要因

パウエルFRB議長の発言

「労働市場は弱まっており、インフレのリスクは残る」と述べ、難しい状況を示唆しました。

利下げの時期は明言しなかったものの、追加緩和の可能性が完全には否定されなかったことで、安全資産である国債への需要が高まりました。

他のFRB高官の発言

ボウマン副議長は「早めの追加利下げが必要な可能性」を示唆。

ボスティック総裁も「雇用市場の悪化が進めば追加行動が必要になる」と発言しました。

入札需要の強さ

23日の2年債入札では強い需要が確認され、投資家の国債購入意欲が高いことが示されました。


米国債市場の全体総括

米国債市場は、FRBが追加利下げに慎重な姿勢を維持しながらも、経済の下振れリスクを認めたことで、安全資産である国債が買われました。

特に、雇用の弱さとインフレリスクの両方が意識され、投資家は金利の先行き不透明感が強まる中でリスク回避的な行動を取ったといえます。


為替市場(ドル円相場)

  • ドル円は 147円台前半から後半でもみ合い、小幅なドル安円高で終了
  • パウエル議長の発言は従来通りで新材料に乏しく、市場は様子見姿勢
  • 一時はドル高・円安に振れたが、最終的には方向感が出ず横ばい推移
  • 今後は FOMCの利下げ判断や米経済指標が主要な材料 となる見通し

為替市場(ドル円相場)の動向

  • ドル円終値:147.62(-0.07%)

23日のドル円相場は前日からの小幅下落で取引を終えました。

取引中は147円台前半から後半でもみ合いとなり、大きな方向感は見られませんでした。


東京為替市場の動向


ニューヨーク為替市場の動向

ニューヨーク時間では、パウエルFRB議長の講演が注目されましたが、

  • 具体的な利下げ時期に言及しなかったこと
  • 発言内容が前回のFOMC後と大きな変化がなかったこと

これらの理由から、市場の反応は限定的でした。

一時的に147円93銭までドル高・円安が進みましたが、その後147円46銭までドル安・円高となり、結局は前日終値を挟んで小幅な値動きにとどまりました。


為替市場(ドル円相場)の全体総括

ドル円相場は、FRBの金融政策の方向性やインフレ動向を見極めたい投資家の思惑が交錯し、方向感に欠ける展開となりました。

パウエル議長が追加利下げについて明確な時期を示さなかったことから、積極的な売買が手控えられた形です。

今後は10月のFOMCでの利下げ有無や経済指標の内容が、ドル円の大きな材料になると考えられます。


ニューヨーク金相場

  • 金スポット価格は3,765.81ドルと過去最高値を更新
  • 追加利下げ期待と地政学リスクが買い材料に
  • 中国人民銀行の動きや各国中銀の金購入が需給を下支え
  • 今後はFRBの政策判断と地政学情勢が主要な注目ポイント

ニューヨーク金相場の動向

  • 金スポット価格:1オンス=3765.81ドル(+0.5%)

金スポット価格は過去最高値を更新しました。

金は安全資産としての性質を持つため、地政学リスクや金融政策への不透明感が高まる局面で買われやすい傾向があります。


上昇要因

追加利下げ期待

FRB高官が追加利下げの可能性に言及し、利下げ局面が長期化するとの見方が広がりました。

利下げは金利を生まない金にとって相対的な魅力を高めます。

地政学リスクの高まり

ロシア・ウクライナ情勢の緊迫化やNATOの強硬姿勢が投資家のリスク回避心理を刺激しました。

地政学リスクが高まると、リスク資産から安全資産である金へ資金を移すため、金価格は上昇しやすくなります。

中国の動き

中国は10カ月連続で金を買い増しており、中銀需要が金価格を下支えしています。

また、中国人民銀行が友好国の中央銀行に、金準備を中国国内で保管するよう働きかけているとの報道が伝えられました。

金価格は過去最高値を更新しており、中国の動きが金市場での影響力拡大につながるとの観測が強まりました。


ニューヨーク金相場の全体総括

金価格は追加利下げ期待、地政学リスク、各国中央銀行の金購入需要といった複数の要因が重なり、過去最高値を更新しました。

特に米国の金融政策が景気支援にシフトする中、「金利を生まないが安全資産である金」の相対的な魅力が高まり、投資マネーが金市場に流入しています。

今後はFRBの利下げペースや地政学情勢の変化が金価格の方向性を左右すると考えられます。


今回は、2025年9月23日の経済情報(株式・債券・為替・金)をついてポイント解説しました。今後も重要な発言や経済指標などを分かりやすく整理してお伝えしていきます。

出典:
ブルームバーグ:【米国市況】株が反落、FRB議長は追加利下げ言明せず-ドルは147円台
ロイター:NY市場サマリー(23日)米国株反落、ドル安定的、利回り低下

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