経済・金融ニュースは毎日あふれていますが、「結局どの情報が重要で、なにが相場が動かしているのか」を短時間で把握するのはなかなか大変です。
このブログでは、ブルームバーグやロイターなど信頼できる海外メディアを情報源に、日米を中心に要人発言や経済指標といった重要な経済ニュースをピックアップし、情報を読みやすく再構成してお届けしています。単なるニュースの要約にとどまらず、投資やトレードに活かせるポイントを意識しています。
例えばこんな方におすすめです:
・忙しくてニュースをじっくり読む時間がない方
・トレードにファンダメンタルズ分析を取り入れたい方
・経済ニュースの見方を効率よく学びたい方
記事を読むことで、情報収集の手間を減らしつつ、投資判断や知識の整理に役立てることができますので、ぜひ日々の情報収集にご活用ください。
今回は、2025年8月全国消費者物価指数(CPI)について分かりやすくポイント解説します。
2025年8月全国消費者物価指数(CPI)のポイント解説
- 8月CPIは前年比+2.7%と前月から伸びが鈍化
- エネルギー価格の下落が物価上昇率を抑制
- コメや生鮮食品の価格上昇も一服
- サービス価格は+1.5%で賃金上昇の影響が継続
- 直近は据え置き見込みも、日銀の利上げ路線を後押し
全国消費者物価指数(CPI)とは:物価の上がり下がりを測る指標
全国消費者物価指数(Consumer Price Index: CPI)とは、国内の消費者が購入するモノやサービスの価格変動を総合的に示す統計指標です。
インフレ(物価上昇)やデフレ(物価下落)の動向を把握する主要指標であり、日本銀行の金融政策の重要な判断材料となります。
CPIは対象範囲により次のように分類されます。
- 総合CPI: すべての品目を含む
- コアCPI: 生鮮食品を除く
- コアコアCPI: 生鮮食品とエネルギーを除く
日本銀行はコアCPIを物価安定目標(2%)の判断基準として採用しています。
全国CPIの動向:伸びが鈍化も依然2%超え
- 総合CPI: 前年比 +2.7%(予想2.8%、前月3.1%)
上昇幅が前月から鈍化しました。
- コアCPI(生鮮除く): 前年比 +2.7%(予想2.7%、前月3.1%)
3%割れは9カ月ぶり。ただし2%目標超えは41カ月連続です。
- コアコアCPI(生鮮+エネルギー除く): 前年比 +3.3%(予想3.3%、前月3.4%)
プラス幅の縮小は13カ月ぶり。3%台は5カ月連続です。
伸び鈍化の主な要因:エネルギー補助や食品価格の落ち着き
エネルギー価格の押し下げ(補助金再開)
- 電気代: 前月 ▲0.7% → ▲7.0%
- 都市ガス: 前月 ▲0.9% → ▲5.0%
政府の電気・ガス料金補助が再開され、エネルギー全体は ▲3.3% と大きく下落。
総務省試算で、コアCPIを0.27ポイント押し下げました。
食品価格の上昇鈍化
コメ類の前年比は +90.7% → +69.7% に上昇幅が縮小。
備蓄米の放出などによる需給の落ち着きが背景とみられます。
食品(生鮮除く)全体の上昇率も +8.3% → +8.0% に縮小しました。
全国CPIの全体総括
今回のCPIは、インフレ圧力は残りつつも、上昇ペースはやや鈍化という結果でした。
エネルギー補助や食品価格の落ち着きが物価上昇を抑える一方、サービス価格は3カ月連続上昇し、賃金から物価への波及が今後も続くか注目されています。
市場では「想定通り」と受け止められ、今回の結果は年内利上げ観測を支える内容だったとみられています。
ただし、直近の金融政策会合では政策金利の据え置きが有力視されています。
今回は、2025年8月全国消費者物価指数(CPI)について分かりやすくポイント解説しました。今後も重要な発言や経済指標などを分かりやすく整理してお伝えしていきます。
出典:
ブルームバーグ:消費者物価は伸び鈍化も日銀目標2%超え続く、年内利上げ観測の支え
ロイター:全国CPI、8月は前年比+2.7%に鈍化 補助金やコメ価格伸び縮小で

