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今回は、2025年9月2日発表の8月米ISM製造業景況指数の結果をポイント解説します。
8月ISM製造業景況指数の結果ポイント解説
全体の状況
景況指数は48.7に上昇も縮小続く
- 8月のISM製造業景況指数は48.7(前月48から小幅上昇)でした。
- ただし、6か月連続で50を下回り、製造業は縮小局面が続いています。
- 政府の関税引き上げによるコスト増や供給網の混乱が重荷となっています。
👉 一部に改善の兆しは見えますが、製造業全体は依然として弱い状況です。
各項目の動き
生産指数:47.8(▲3.6)
- 3か月ぶりに縮小圏入りしました。
- 関税の影響で原材料コストが高止まりし、生産活動が鈍化。
- 工場稼働の減少は雇用への悪影響も懸念されます。
雇用指数:小幅上昇も低水準
- コロナ禍以来の低水準付近にとどまっています。
- 需要の弱さから企業は採用を抑制し、人員削減を進めていると指摘されました。
新規受注指数:51.4(+4.3)
- 6か月ぶりに拡大圏に入り、今年1月以来の強い伸びです。
- 国内の設備投資や家計需要の底堅さが支えています。
- ただし、関税や通商不透明感が続く中で持続力は不透明です。
仕入れ価格指数:63.7(前月から低下)
- 高水準が続いていますが、2月以来の低さとなりました。
- 関税の影響で高騰していた原材料コストがやや落ち着き始めています。
受注残指数:縮小圏で一段と悪化
- 注文の積み残しが減り、工場稼働の弱さを裏付けています。
- 新規受注増とのバランスが取れておらず、雇用改善にはつながっていません。
供給業者納入指数:51.3(前月49.3から上昇)
- 50超は納入遅延を意味し、今回はやや遅延気味でした。
- トランプ政権の通商政策の不透明さでサプライチェーンが混乱しています。
ISM委員長のコメント
- 「需要は依然として弱く、関税の不透明感が主因」
- 「GDPに占める製造業の69%が縮小領域にある」
- 「深刻な縮小産業の比率は4%まで減ったが、それでも多くが縮小状態にあるのは望ましくない」
👉 委員長は需要不足と関税問題が製造業の足かせと指摘しています。
- ISM指数は48.7:6か月連続で縮小、ただし小幅改善
- 悪材料:生産・雇用・受注残の弱さ → 工場稼働に回復の兆し薄い
- 好材料:新規受注拡大、仕入れ価格の低下 → 価格圧力の緩和と需要回復の兆し
- 総合評価:製造業は依然厳しいが、部分的に底打ちのサインあり。ただし関税と雇用低迷が重荷
今回は 2025年9月2日発表の8月米ISM製造業景況指数の結果をポイント解説 に注目しました。
今後も重要な発言や経済指標を分かりやすく整理してお伝えしていきます。
出典:
ブルームバーグ:米ISM製造業指数、6カ月連続で縮小-関税不安で生産落ち込む
ロイター:米8月ISM製造業指数、小幅改善も6カ月連続50割れ 関税の影響継続
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