デイリー経済情報

2025年9月17日の経済情報まとめ|株式・債券・為替・金

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経済・金融ニュースは毎日あふれていますが、「結局どの情報が重要で、なにが相場が動かしているのか」を短時間で把握するのはなかなか大変です。

このブログでは、ブルームバーグやロイターなど信頼できる海外メディアを情報源に、日米を中心に要人発言や経済指標といった重要な経済ニュースをピックアップし、情報を読みやすく再構成してお届けしています。単なるニュースの要約にとどまらず、投資やトレードに活かせるポイントを意識しています。

例えばこんな方におすすめです:
・忙しくてニュースをじっくり読む時間がない方
・トレードにファンダメンタルズ分析を取り入れたい方
・経済ニュースの見方を効率よく学びたい方

記事を読むことで、情報収集の手間を減らしつつ、投資判断や知識の整理に役立てることができますので、ぜひ日々の情報収集にご活用ください。

今回は、2025年9月17日の経済情報(株式・債券・為替・金)についてポイント解説します。

米国株式市場

  • S&P500・ナスダックは続落、ダウは反発
  • FOMCが予想通りの0.25%利下げ+年内2回の追加利下げを示唆
  • エヌビディア株下落(-2.6%)でハイテク株に売り圧力
  • 米長期金利の上昇も株価の重しに
  • 材料出尽くし感で短期的に売られたが、景気後退懸念は限定的

株式市場の動向

  • S&P500:6600.35(-0.10%)
  • ダウ平均:46018.32(+0.57%)
  • ナスダック:22261.33(-0.33%)

17日の米国株式市場はまちまちな値動きでした。

FOMC(米金融政策会合)が予想通り0.25%の利下げを決定し、年内にあと2回の追加利下げを示唆しましたが、株式市場は「予想通りの結果」にやや売りで反応しました。


下落要因

「事実で売る」反応

市場はFOMCの利下げを織り込んでいたため、発表後は短期的な利益確定の売りが出ました。

投資家心理としては「予想通り=新しい好材料がない」と受け止められた面があります。

ナスダックの重し:エヌビディア株の下落

中国当局がエヌビディア製AI半導体の購入停止を命じたとの報道で、同社株は-2.6%と大きく下落。

米中関係の緊張再燃への懸念がハイテク株全体に波及しました。

米長期金利の上昇

米国債利回りが上昇し、株式のバリュエーション面で逆風となりました。

特にハイテク株は金利上昇に敏感で、売り圧力がかかりやすい状況でした。


株式市場の全体総括

米株式市場は、FOMCが予想通りの利下げと追加利下げの見通しを示したことで、政策の方向性が確認された半面、短期的には材料出尽くし感が広がりました。

エヌビディア株の急落や米中関係の悪化懸念がハイテク株中心に重しとなり、S&P500とナスダックは小幅安となりました。

ただ、景気後退の深刻化が回避されるとの見方が残る中、ダウ平均はプラス圏を維持し、市場は今後の利下げと企業業績の動向に注目しています。


米国債相場

  • 米国債利回りは短期・長期ともに上昇
  • 利下げ発表直後は下げたが、その後は議長発言で反転上昇
  • インフレ警戒感と急がない追加利下げスタンスが要因
  • 安全資産買いの一巡で国債売りが優勢に
  • 市場は今後の追加利下げペースと物価動向を注視

国債相場の動向

  • 米30年債利回り:4.69%(+0.81%)
  • 米10年債利回り:4.09%(+1.42%)
  • 米2年債利回り:3.55%(+1.36%)

17日の米国債市場では国債価格が下落し、利回りは上昇しました。

通常、利下げが発表されると「景気刺激=金利低下」という見方から国債利回りは下がる傾向にあります。

ところが今回は発表直後こそ利回りが下げたものの、その後は一転して上昇しました。


利回り上昇要因

パウエル議長の慎重な姿勢

利下げは発表されましたが、議長は「急いで追加利下げする必要はない」と強調。

これが「FRBは過度にハト派(緩和的)ではない」と受け止められ、長期金利の上昇圧力となりました。

インフレへの警戒感

政策声明の中でインフレ上昇にも触れたことから、市場は「物価が再び上がるなら長期金利はもっと高くなる可能性がある」と見て、債券を売って利回りが上昇しました。

安全資産としての国債需要が一服

利下げ決定で当面の政策リスクが和らいだため、国債買いの動きが一巡し売りが優勢になった面もあります。


国債市場の全体総括

米国債市場は、予想通りの利下げ発表を受けて一時的に利回りが下がりましたが、その後のパウエル議長の慎重な発言やインフレ警戒感を背景に売りが強まり、利回りは反転上昇しました。

特に長期金利は「利下げはするが過度な緩和はしない」というFRBのスタンスを反映し、景気とインフレの両面を意識した複雑な動きとなりました。


為替市場(ドル円相場)

  • ドル円終値:1ドル=146.99円(+0.35%)
  • 東京市場:146円台半ばでのもみ合い、輸入企業のドル買いが下値を支える
  • ニューヨーク市場:一時145円台まで下落も、その後はドル買いが優勢に
  • FOMC利下げは織り込み済み → 「ドル安行き過ぎ」の反動でドル高方向に

為替市場(ドル円相場)の動向

  • ドル円:146.99(+0.35%)

FOMC(米金融政策会合)が予想通り0.25%の利下げを決定しましたが、ドル円は一時下落した後に反発し、最終的にはドル高・円安方向で引けました。


東京為替市場の動向

東京市場ではドル円は146円台半ばでのもみ合いが続きました。

FOMCで利下げが見込まれる中、一時は1カ月ぶりの安値水準を更新しました。その後は輸入企業によるドル買い需要が入り、ドルの下値を支えました。

市場関係者は、「円は本来なら利上げ方向なので買われやすいはずだが、財政悪化や金利上昇への不安もあり、円買いは勢いづきにくい」と指摘しています。


ニューヨーク為替市場の動向

ニューヨーク市場ではドル指数が年初来安値を更新した後、急速に下げ幅を縮めました。

ドル円相場は一時145円49銭まで下落しましたが、その後はドル買いが優勢となり、最終的には146円台後半に持ち直しました。


為替市場の全体総括

ドル円相場は、FOMCが予想通りの利下げを決定したことで一時的にドル安が進みましたが、その後は米国経済の底堅さやドル買い需要の強さから再びドル高方向に転じました。

東京市場では実需のドル買いが下値を支え、ニューヨーク市場では「利下げ織り込みすぎ」の見方が広がり、ドルが買い戻される展開となりました。

全体として、米国の金融政策と米経済の強さを背景にドルは底堅さを維持したといえます。



ニューヨーク金相場

  • 金価格:1オンス=3654.28ドル(-1.0%)で4営業日ぶりに反落
  • 利下げ発表は予想通りでサプライズなし → 材料出尽くし感
  • 連日の高値更新で利益確定売りが優勢に
  • 米長期金利の上昇も投資妙味をやや減退させた

金相場の動向

  • 金スポット価格:1オンス=3654.28ドル(-1.0%)

16日の金スポット価格は、4営業日ぶりに反落しました。

これまで利下げ期待を背景に上昇が続いていましたが、今回は利益確定売りや持ち高調整が優勢となり、価格が下落しました。


下落要因

利益確定売りの動き

これまで連日で最高値を更新していたことから、いったん利益を確定する動きが広がり、売り圧力が強まりました。

FRBの利下げ発表後の材料出尽くし感

FRBが予想通り0.25%の利下げを発表しましたが、市場ではすでに織り込み済みだったため、「発表を受けて買いが続く」よりも、「材料出尽くしで売りが出る」という展開になりました。

米金利の上昇

FRBの利下げ発表後にもかかわらず、長期金利が上昇したことで、金利を生まない金の投資妙味がやや薄れたことも下落要因になりました。


金市場の全体総括

金相場は、FRBの利下げ期待を背景にした上昇の勢いがいったん止まり、利益確定や持ち高調整の売りが優勢となって4営業日ぶりに反落しました。

FRBの利下げ自体は金にとってプラス要因ですが、発表が市場予想通りであったためサプライズがなく、金利上昇も相まって短期的には売りが優勢となった格好です。


今回は、2025年9月17日の経済情報(株式・債券・為替・原油・金)をついてポイント解説しました。今後も重要な発言や経済指標などを分かりやすく整理してお伝えしていきます。

出典:
ブルームバーグ:【日本市況】株5日ぶり反落、20年債入札好調で債券上昇-円もみ合い
ブルームバーグ:【米国市況】国債とS&P500が下落、予想通りの利下げで売り-円も下げ
ロイター:NY市場サマリー(17日)ドル切り返す、株まちまち・利回り上昇に転じる

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