経済・金融ニュースは毎日あふれていますが、「結局どの情報が重要で、なにが相場が動かしているのか」を短時間で把握するのはなかなか大変です。
このブログでは、ブルームバーグやロイターなど信頼できる海外メディアを情報源に、日米を中心に要人発言や経済指標といった重要な経済ニュースをピックアップし、情報を読みやすく再構成してお届けしています。単なるニュースの要約にとどまらず、投資やトレードに活かせるポイントを意識しています。
例えばこんな方におすすめです:
・忙しくてニュースをじっくり読む時間がない方
・トレードにファンダメンタルズ分析を取り入れたい方
・経済ニュースの見方を効率よく学びたい方
記事を読むことで、情報収集の手間を減らしつつ、投資判断や知識の整理に役立てることができますので、ぜひ日々の情報収集にご活用ください。
今回は、2025年9月18日の経済情報(株式・債券・為替・金)についてポイント解説します。
米国株式市場
- 主要3指数がそろって最高値を更新
- FRBの利下げと追加利下げ示唆が株価の追い風に
- インテル株が23%急騰、エヌビディアと半導体株全体が上昇
- 低金利環境はハイテク株・金融株にとってプラス要因
米国株式市場の動向
- S&P500:6631.96(+0.48%)
- ダウ平均:46142.42(+0.27%)
- ナスダック:22470.72(+0.94%)
18日の米国株式市場では、S&P500、ダウ平均、ナスダックの主要3指数がそろって上昇し、終値ベースで過去最高値を更新しました。
特にハイテク株比率の高いナスダックが+0.94%と大きく上昇しました。
上昇要因
FRBの利下げと追加利下げ見通し
前日に米連邦準備理事会(FRB)が0.25%の利下げを決定し、年内にあと2回の利下げを示唆しました。
低金利は企業の資金調達コストを下げ、利益拡大につながると期待されるため、株価にはプラス材料です。
ハイテク株と金融株への期待
低金利環境では、成長期待が高いハイテク株が特に恩恵を受けやすいです。
また、住宅ローンやM&A(企業の合併・買収)など金融関連の動きが活発になることも、金融株の上昇につながります。
エヌビディアとインテルの共同開発報道
エヌビディアがインテルに50億ドルを出資し、半導体共同開発を行うと発表。
これを受けてインテル株は23%急騰、エヌビディア株も上昇し、半導体関連株全体が強い動きとなりました。
米国株式市場の全体総括
米国株式市場は、FRBの利下げ決定と年内追加利下げ見通しを追い風に投資家のリスク選好が強まり、主要指数がそろって最高値を更新しました。
特にインテルとエヌビディアの協業発表が半導体株を押し上げ、ナスダックの上昇をけん引しました。
低金利環境は企業業績の改善期待を高め、ハイテク株や金融株に対する強気の見方が広がっています。
ただし、一部では株価の割高感への警戒も残っており、今後は金利や企業業績の動向が注目されます。
米国債市場
- 米国債は価格下落・利回り上昇
- 新規失業保険申請件数の減少で労働市場の強さが確認された
- 追加利下げ観測が後退し、金利は高止まりするとの見方が広がった
- フィラデルフィア連銀景況指数の好調も利回り上昇を後押し
- 次回の雇用統計が今後の金利動向のカギとなる見通し
米国債市場の動向
- 米30年債利回り:4.72%(+0.69%)
- 米10年債利回り:4.11%(+0.47%)
- 米2年債利回り:3.57%(+0.41%)
18日の米国債市場では、国債価格が下落し、利回りが上昇しました。
長期債だけでなく短期債の利回りも上昇しており、労働市場の強さが予想以上だったことが大きな背景となっています。
利回り上昇要因
新規失業保険申請件数の大幅減少
9月13日までの1週間の新規失業保険申請件数が3万3000件減の23万1000件となり、市場予想以上の改善を示しました。
これは労働市場が依然として堅調であることを意味し、インフレ圧力が続く可能性があると受け止められました。
追加利下げ観測の後退
FRBは年内にあと2回の利下げを見込んでいますが、労働市場が強いままなら急速な利下げの必要性は低いとの見方が強まりました。
これにより、「金利は高い水準にとどまるのでは」という懸念が広がり、国債が売られ(=利回り上昇)ました。
フィラデルフィア連銀景況指数の改善
9月の同指数がプラス23.2と予想(+2.5)を大きく上回り、米景気の底堅さが確認されました。
米国債市場の全体総括
米国債市場は、労働市場と経済指標の強さを背景に売られ、利回りが上昇しました。
FRBは利下げを開始しましたが、労働市場が想定より堅調なため、急激な金融緩和は見送られる可能性があります。
特に10月3日に発表される次回の雇用統計が、今後の金利政策を左右する重要な材料になると見られています。
為替市場(ドル円相場)
- ドル円は148.01円に上昇、約2カ月ぶりの高値水準
- 東京市場では株高とドル買い戻しが相場を支援
- ニューヨーク市場では新規失業保険申請件数の改善がドル買いを後押し
- FOMC後も追加利下げ観測は後退し、ドル高要因となった
- 今後は日銀会合と米雇用統計が重要な相場材料
為替市場(ドル円相場)の動向
- ドル円:148.01(+0.69%)
前日のFOMCで0.25%の利下げが発表されましたが、その後の会見でパウエルFRB議長が慎重な姿勢を示したことで、追加利下げへの過度な期待が後退し、ドルが買い戻される展開となりました。
東京為替市場の動向
東京市場ではドル円が147円台半ばに上昇し、約2カ月ぶりの高値水準を更新しました。
FOMC直後は利下げを受けてドル売りが出ましたが、その後はドル売りポジションの解消(買い戻し)が進みました。
日本株や米株先物の上昇がリスク選好の動きを強め、円売り・ドル買いの流れを後押ししました。
ニューヨーク為替市場の動向
ニューヨーク市場ではドル指数が日中で0.6%上昇し、ドル円は一時148.27円まで上昇しました。
新規失業保険申請件数の大幅減少が発表され、米労働市場の強さが確認されたことで、追加利下げへの慎重姿勢が強まり、ドル買いにつながりました。
市場関係者の間では、「一時的に149円台を試す可能性もあるが、将来的な円高方向への巻き戻しには注意が必要」との声もありました。
為替市場(ドル円)の全体総括
ドル円相場は、FOMC利下げ後のドル売りから一転し、追加利下げ観測の後退や米労働市場の強さを背景にドル買いが優勢となりました。
東京市場では株高とポジション調整が支援材料となり、ニューヨーク市場では経済指標の強さがドル買いを加速させました。
今後は日銀会合のスタンスや米国の雇用統計が、ドル円の方向性を左右する重要な材料となりそうです。
ニューヨーク金相場
- 金価格は1オンス=3642.74ドルと続落
- ドル高進行で金の割高感が強まり、売り圧力に
- 追加利下げ期待の後退で安全資産としての魅力が一服
- 利益確定売りが短期的な下落要因に
- 中長期的には地政学リスクや中銀の金需要が下支え材料
ニューヨーク金相場の動向
- 金スポット価格:1オンス=3642.74 ドル(-0.5%)
18日の金スポット価格は続落しました。
前日までの連騰で高値を更新していましたが、この日は利益確定売りやドル高進行が重しとなり、反落しました。
下落要因
ドル高の進行
金はドル建てで取引されるため、ドルが上昇すると他通貨圏の投資家にとって金が割高になります。
結果として、金の需要が減少し、価格が下がりやすくなります。
FOMC後の追加利下げ期待の後退
米連邦公開市場委員会(FOMC)は0.25%の利下げを決定しましたが、その後の声明や経済指標(新規失業保険申請件数の減少など)が「急激な利下げはない」という見方を強め、インフレ抑制への警戒感が残りました。
利下げ期待が後退すると、無利息資産である金の魅力はやや薄れます。
利益確定売り
金は年初来で約39%も上昇しており、S&P500を上回るパフォーマンスを記録していました。
高値圏では投資家が利益を確定する動きが出やすく、短期的な下押し要因となりました。
ニューヨーク金相場の全体総括
金相場は、長期的には地政学リスクや各国中銀の金購入、インフレヘッジ需要によって支えられていますが、短期的にはドル高進行や追加利下げ期待の後退が上値を抑えました。
特に、前日までの急上昇の反動として利益確定売りが出やすい地合いとなっており、調整局面入りした可能性があります。
ただし、中長期的には中央銀行の金保有拡大や政治リスクが引き続き支援材料になると見られます。であったためサプライズがなく、金利上昇も相まって短期的には売りが優勢となった格好です。
今回は、2025年9月18日の経済情報(株式・債券・為替・金)をついてポイント解説しました。今後も重要な発言や経済指標などを分かりやすく整理してお伝えしていきます。
出典:
ブルームバーグ:【日本市況】日経平均初の4万5000円台、半導体関連けん引-円下落
ブルームバーグ:【米国市況】主要株価指数がそろって最高値更新-利下げでリスク選好
ロイター:NY市場サマリー(18日)株主要3指数が最高値、ドル・利回り上昇

