経済・金融ニュースは毎日あふれていますが、「結局どの情報が重要で、なにが相場が動かしているのか」を短時間で把握するのはなかなか大変です。
このブログでは、ブルームバーグやロイターなど信頼できる海外メディアを情報源に、日米を中心に要人発言や経済指標といった重要な経済ニュースをピックアップし、情報を読みやすく再構成してお届けしています。単なるニュースの要約にとどまらず、投資やトレードに活かせるポイントを意識しています。
例えばこんな方におすすめです:
・忙しくてニュースをじっくり読む時間がない方
・トレードにファンダメンタルズ分析を取り入れたい方
・経済ニュースの見方を効率よく学びたい方
記事を読むことで、情報収集の手間を減らしつつ、投資判断や知識の整理に役立てることができますので、ぜひ日々の情報収集にご活用ください。
今回は、2025年9月24日の経済情報(株式・債券・為替・金)についてポイント解説します。
米国株式市場
- 主要3指数は続落
- パウエル議長が株価の割高感に言及し、利益確定売りの動きに
- 米国債・社債の大量発行で金利上昇 → 株式の割高感を助長
- PCE物価指数発表を控えて様子見ムード
- 株価下落は調整的な性格が強く、景気悲観ではない
米国株式市場の動向
- S&P500:6637.97(-0.28%)
- ダウ平均:46121.28(-0.37%)
- ナスダック:22497.86(-0.33%)
米国株式市場は続落となり、主要3指数が揃って下落しました。
株価はここ数カ月で急上昇し、最高値を次々と更新していましたが、今回は利益確定売りが出て、一息ついた形となりました。
下落要因
前日のパウエルFRB議長の発言
資産価格が過大評価されているとの指摘を受け、株価の割高感が意識され、一部ポジション解消の動きが出ました。
インフレ指標発表を控えた様子見
26日に発表される米PCE物価指数を前に、投資家は新たな手がかりを待つムードになりました。
米国債・社債の大規模発行による金利上昇
オラクルが発行する180億ドル規模の社債が話題になり、債券市場の金利上昇につながりました。
国債利回りが上昇(価格は下落)し、株式の割高感が意識されました。
米国株式市場の全体総括
米株式市場は、これまでの急上昇の反動とインフレ指標発表前の警戒感から利益確定売りが出て続落しました。
FRBパウエル議長が資産価格の割高感に言及したことで投資家心理がやや冷え込んだ一方、景気や企業業績そのものへの懸念は限定的です。
今後はインフレ指標やFRBの政策見通しが方向性を左右するとみられます。
米国債市場
- 米国債価格下落し、利回りは上昇
- 大規模な国債・社債発行で債券供給が急増、国債価格の下押し要因に
- FRBの追加利下げ慎重姿勢が債券売りを促進
- 住宅指標の好調さも利回り上昇を後押し
- 景気指標とFRB発言が今後の利回り動向を左右する見通し
米国債市場の動向
- 米30年債利回り:4.75%(+0.62%)
- 米10年債利回り:4.14%(+0.94%)
- 米2年債利回り:3.60%(+0.45%)
米国債市場では国債価格が下落し、利回りが上昇しました。
利回り上昇要因
大規模な国債・社債の発行
複数の発行が重なり、市場での債券供給が急増し、価格下落・利回り上昇につながりました。
特に米オラクルが180億ドル規模の社債を発行すると発表。この報道を受け、一段と債権価格は下落しました。
市場に大量の債券が出回ると、買い手より売り手が多くなり、需給が緩みます。
よって市場はより高い利回り(=低い価格)でないと購入に応じなくなりやすいです。
前日のパウエルFRB議長の発言
パウエル議長は「インフレと雇用のバランスが難しい」と指摘し、追加利下げには慎重姿勢を維持しました。
利下げに慎重姿勢=金利が下がらない(むしろ高止まり)との見方が広がり、債券の魅力が低下し売りが出て価格は下落し、利回りは上昇しました。
米住宅指標の強い結果
米新築住宅販売が予想外に増加し、景気の底堅さが意識され、国債売りの要因になりました。
景気の底堅さは、利下げ期待の後退・リスク資産への資金シフト・インフレ懸念の再燃を通じて、国債の売り(国債価格の下落=利回り上昇)につながります。
米国債市場の全体総括
この日の国債市場は、大規模な債券発行による供給増加と、FRBの利下げ慎重姿勢が重なり、価格下落・利回り上昇となりました。
特にオラクルの社債発行は債券市場への影響が大きく、国債利回りを押し上げる一因となりました。
景気指標が予想以上に強かったこともあり、市場はインフレ懸念を意識し、国債を売る動きが優勢となりました。
為替市場(ドル円相場)
- ドル円は148.91円まで上昇、今月11日以来の高値を更新
- 東京市場:総裁選関連の発言と実需のドル買いが支援
- NY市場:住宅販売の好調・FRBの慎重姿勢・ドル買い需要が重なりドル高
- 四半期末のポジション調整もドル高要因に
- 今後の焦点は26日のPCE物価指数やFRBの政策スタンス
為替市場(ドル円相場)の動向
- ドル円終値:148.91(+0.86%)
この日のドル円は上昇。ドル高・円安が進んだ一日でした。
東京市場では148円台に乗せた後も底堅い推移となり、ニューヨーク市場では一時148円92銭まで上昇し、今月11日以来の高値を付けました。
東京為替市場の動向
東京市場では、自民党総裁選を巡る動きが注目されました。
高市早苗氏の「金融政策の判断は日銀に委ねるべき」との発言が、投資家心理にやや警戒感を与え、円売りを誘いました。
また、午前10時前の仲値に向けた実需のドル買いがドルを支え、ドル円は堅調な動きを見せました。
ニューヨーク為替市場の動向
ニューヨーク市場では、ドル全面高となり、ドル指数は前日比+0.6%と上昇しました。
要因としては、
- 米8月新築住宅販売が予想外に増加し、ドル買いが優勢になったこと
- パウエルFRB議長が追加利下げに慎重な姿勢を示したこと
- 四半期末に向けたドル需要(期末フロー)や、ドル売りポジションの巻き戻しが進んだこと
これらが重なり、ドル円は148円後半まで上昇しました。
為替市場(ドル円相場)の全体総括
この日のドル円相場は、米経済指標の強さとFRBの追加利下げ慎重姿勢が意識され、ドル高・円安が進みました。
東京市場では総裁選関連の発言と実需のドル買いが、ニューヨーク市場では経済指標とFRB発言が材料となり、ドルが買われました。
ただし、市場関係者の一部は「150円を超えるには追加材料が必要」と見ており、今後の方向性は26日発表のPCE物価指数などの経済データが鍵を握りそうです。
ニューヨーク金相場
- 金価格:1オンス=3729.15ドル(-0.9%)で反落
- 下落要因1:FRBの慎重姿勢で利下げ期待が後退
- 下落要因2:米住宅指標の強さを受けたドル高進行
- 下落要因3:PCE物価指数発表を前に様子見
- 中長期的には金融緩和や地政学リスクが下支え要因に
ニューヨーク金相場の動向
- 金スポット価格:1オンス=3729.15ドル(-0.9%)
金スポット価格は前日の最高値圏から反落しました。
前日までの上昇基調が一服し、利益確定売りやドル高の影響を受けて軟調な展開となりました。
下落要因
FRBの慎重な姿勢
パウエルFRB議長は23日の講演で、インフレが根強い中での追加利下げに慎重な姿勢を示しました。
利下げのスピードが遅くなる可能性は、金利を生まない金にとっては逆風となります。
ドル高の進行
この日は米新築住宅販売が予想以上に強い結果となり、ドル買いが優勢となりました。
通貨としてのドルが強まると、ドル建てで取引される金は相対的に割高となり、価格が下がりやすくなります。
投資家のリスク選好低下と様子見姿勢
ロシア・ウクライナ情勢など地政学リスクはあるものの、米国のインフレ指標(PCE)の発表を控え、投資家は様子見ムードを強めました。
これまでの金買いポジションの一部が利益確定売りとして出てきました。
ニューヨーク金相場の全体総括
金相場はこれまで、FRBの利下げ観測や地政学リスクの高まりを背景に大きく上昇してきましたが、この日は一服感が強まりました。
FRBがインフレと景気のバランスを慎重に見極める姿勢を強調し、利下げペースへの過度な期待が後退したことが影響しました。
また、ドル高の進行や利益確定売りも加わり、短期的な調整局面に入りました。
ただし、中長期的には金融緩和や地政学リスクが再び意識されれば、金価格の下支え要因となる可能性があります。
今回は、2025年9月24日の経済情報(株式・債券・為替・金)をついてポイント解説しました。今後も重要な発言や経済指標などを分かりやすく整理してお伝えしていきます。
出典:
ブルームバーグ:【日本市況】債券が上昇、財政拡張への警戒が後退-円下落、株式続伸
ブルームバーグ:【米国市況】ドル全面高で148円90銭台、予想外に指標堅調-株は続落
ロイター:NY市場サマリー(24日)米国株続落、ドル上昇、中長期債利回り上昇

