デイリー経済情報

2025年9月29日の経済情報まとめ|株式・債券・為替・原油・金

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経済・金融ニュースは毎日あふれていますが、「結局どの情報が重要で、なにが相場が動かしているのか」を短時間で把握するのはなかなか大変です。

このブログでは、ブルームバーグやロイターなど信頼できる海外メディアを情報源に、日米を中心に要人発言や経済指標といった重要な経済ニュースをピックアップし、情報を読みやすく再構成してお届けしています。単なるニュースの要約にとどまらず、投資やトレードに活かせるポイントを意識しています。

例えばこんな方におすすめです:
・忙しくてニュースをじっくり読む時間がない方
・トレードにファンダメンタルズ分析を取り入れたい方
・経済ニュースの見方を効率よく学びたい方

記事を読むことで、情報収集の手間を減らしつつ、投資判断や知識の整理に役立てることができますので、ぜひ日々の情報収集にご活用ください。

今回は、2025年9月29日の経済情報(株式・債券・為替・原油・金)についてポイント解説します。

米国株式市場

  • 米国株式市場は小幅高
  • AI関連株の上昇とFRBの利下げ期待が相場を支える
  • 政府機関閉鎖リスクは短期要因とみられ、中長期的には企業収益や金融政策が焦点
  • 雇用統計発表の延期リスクが今後の相場変動要因となる可能性

米国株式市場の動向

  • S&P500:6661.21(+0.26%)
  • ダウ平均:46316.07(+0.15%)
  • ナスダック:22591.15(+0.48%)

この日の米国株式市場は小幅ながら上昇しました。

政府機関の閉鎖リスクやFRB当局者のタカ派的な発言が警戒される一方で、AI関連株やハイテク株に資金が入り、相場を支えました。


上昇要因

AI関連株への期待

半導体大手エヌビディア(+2%)、マイクロソフト(+0.6%)などのハイテク株が上昇しました。

AI需要の拡大は今後の企業収益改善につながるとの期待があります。

FRBの利下げ継続観測

CMEフェドウオッチによると、10月会合での0.25%利下げの確率は約89%。

FRBが年内に追加利下げを継続するとの見方が引き続き株式市場を下支えしています。

政府閉鎖リスクは短期要因

一部のアナリストは、政府閉鎖が起きても「速やかに解決される可能性が高い」と指摘しています。

中長期的には企業収益や金融政策、AI投資が市場の焦点になるとみられています。

企業ニュースが好感材料に

米ゲーム大手エレクトロニック・アーツ(EA)がプライベート投資家により550億ドルで買収されると発表。

株価は4.5%上昇し、他のゲーム関連株も連れ高となり、市場全体のセンチメント改善に寄与しました。


米国株式市場の全体総括

この日の米国株式市場は、政府機関閉鎖リスクやFRB当局者のタカ派発言が重しとなる中でも、AI関連株やハイテク株への期待、FRBの利下げ継続観測が投資家心理を支え、小幅ながら上昇しました。

特にS&P500では主要11業種のうち9業種がプラス圏となり、市場の底堅さが示されました。

一方で、10月1日に迫る政府閉鎖リスクが今後の雇用統計や経済指標発表に影響を与える可能性があり、市場には慎重な姿勢がみられます。


米国債市場

  • 米国債利回りは短期・長期ともに大幅低下
  • 政府閉鎖リスクで景気減速懸念が強まり、安全資産として国債が買われた
  • 雇用統計発表の遅れリスクが金融政策の不透明感を高めた
  • FRB追加利下げ観測や四半期末要因も重なり、国債市場は全面的に買い優勢となった

米国債市場の動向

  • 米30年債利回り:4.70%(-0.93%)
  • 米10年債利回り:4.14%(-0.88%)
  • 米2年債利回り:3.62%(-0.62%)

この日の米国債市場では国債利回りが大きく低下しました。

長期金利と短期金利の双方で大きな低下が見られ、投資家が国債を積極的に買ったことがうかがえます。


利回り下落要因

米政府機関の閉鎖リスク

政府が閉鎖されれば、経済活動の一部が止まり、景気の減速リスクが高まります。

政府閉鎖で雇用統計などの重要データが発表できなくなる可能性があり、FRBの政策判断が不透明になるとの見方が広がりました。

そのため、市場では安全資産である国債を買いが入り、国債価格は上昇。逆相関に動く利回りは下落しました。

FRBの追加利下げ観測

CMEのフェドウオッチによると、10月会合での0.25%利下げを89.3%と高い確率で織り込んでいます。

利下げ観測が続き、市場が国債を買う動きを強めました。

四半期末の資金フロー

月末や四半期末は、運用機関がポートフォリオを調整する動きが強まり、国債買いが入りました。


米国債市場の全体総括

この日の米国債市場は、政府閉鎖リスクとFRBの追加利下げ観測を背景に、広範囲で利回りが低下しました。

特に10月1日からの政府閉鎖リスクは、雇用統計などの重要経済指標の発表延期につながる可能性があり、市場は安全資産である国債への投資を強めました。

加えて、FRBが利下げを継続するとの見方や、四半期末の資金フローも国債買いを後押しし、結果として短期・長期金利ともに大きく低下する展開となりました。


為替市場(ドル円相場)

  • ドル円は148円台後半に下落、ドル全面安の展開
  • 米政府機関閉鎖リスクがドル売り要因に
  • 東京市場では日銀・野口委員の発言が円高を後押し
  • ニューヨーク市場では雇用統計延期リスクと利下げ観測がドル売りを強化
  • ドルは主要通貨に対して軟調、円は比較的堅調な動き

為替市場(ドル円相場)の動向

  • ドル円終値:148.63(-0.58%)

この日のドル円相場は、148円台後半に下落しました。

ドルは対主要通貨でも全面安となり、特に米政府機関の閉鎖リスクや米利下げ期待がドル売りの要因となりました。


東京為替市場の動向

東京市場では、ドル円は一時148円台後半まで下落しました。

米政府閉鎖リスクを背景にドル売りが先行しました。

さらに、日銀の野口委員が利上げの可能性に言及したことで円買いが進み、ドル円の下落が加速しました。


ニューヨーク為替市場の動向

ニューヨーク市場では、ドルはさらに軟調となり、ドル指数も0.35%下落しました。

米政府閉鎖リスクに加え、10月3日発表予定の雇用統計が延期される可能性が高まったことが投資家心理を冷やしました。

年内利下げ観測も引き続きドル売り要因として働きました。


為替市場(ドル円相場)の全体総括

この日のドル円相場は、米政府閉鎖リスクとFRBの追加利下げ観測が重なり、ドル売り・円買いの流れが優勢となりました。

東京市場では日銀要人の発言も円高を後押ししましたが、その後の欧米市場ではイベントリスクを前に様子見姿勢も見られました。

全体的には、ドルは主要通貨に対して弱含み、円は比較的堅調な一日となりました。


ニューヨーク原油市場

  • WTI原油先物は3カ月ぶりの大幅安
  • OPECプラスが11月の増産を検討、供給過剰懸念が強まる
  • イラクの原油輸出再開で供給増が加速する見通し
  • 地政学リスクや中国需要は支えだが、短期的には下落圧力が優勢

ニューヨーク原油市場の動向

  • WTI先物11月限:1バレル=63.45ドル(-3.45%)

この日のニューヨーク原油先物(WTI)は、3カ月ぶりの大幅安となりました。

前週末26日には8月以来の高値で取引を終えていたことから、今回の下げは投資家にとってサプライズの要素が強いものでした。


上下落要因

OPECプラスの増産観測

OPEC加盟国とロシアなど非加盟国を含むOPECプラスが、11月にも日量13万7000バレル以上の増産を検討していると報じられました。

国際エネルギー機関(IEA)は、2026年には記録的な供給過剰が見込まれると予測しており、中長期的な需給バランスへの不安が意識されています。

そのため市場では「供給過剰が進むのではないか」という懸念が強まり、原油価格の下押し圧力になりました。

イラクからの原油輸出再開

イラク北部のクルド人自治区からトルコへの原油輸出が約2年半ぶりに再開され、日量18〜19万バレルが供給される見込みです。

原油市場に新たな供給が戻ることで需給が緩み、供給過剰懸念から価格が下押し要因として働きました。

投資家心理の変化

前週までの地政学リスクによる上昇局面が一服し、利益確定の売りも出やすい状況となっていたかと思われます。


ニューヨーク原油市場の全体総括

この日のニューヨーク原油市場は、供給増加懸念が地政学リスクによる供給制約懸念を上回り、大幅な下落となりました。

OPECプラスの増産見通しやイラクからの輸出再開が供給過剰懸念を強め、前週までの上昇相場を押し戻しました。

一方で、中国の買い需要やロシア情勢など一部の支援材料は残っていますが、短期的には供給増の影響が大きく、原油価格は弱含みで推移しています。


ニューヨーク金相場

  • 金スポット価格は史上最高値を更新
  • FRBの利下げ観測が金需要を押し上げ
  • ドル安進行により、金が相対的に割安に
  • 米政府閉鎖リスクから安全資産として金買いが増加
  • 中央銀行の買い増しとETF資金流入が長期的な支え

ニューヨーク金市場の動向

  • 金スポット価格:1オンス=3824.72ドル(+1.7%)

この日の金スポット価格は、前日比+1.7%と続伸し、前週に記録した過去最高値を上回りました。


上昇要因

FRBの利下げ観測

市場ではFRBが年内に追加利下げを複数回実施するとの見方が優勢です。

金は利子を生まない資産のため、金利低下時には相対的に魅力が高まり、買われやすくなります。

ドル安の進行

米政府機関の閉鎖リスクが意識され、ドルが下落しました。

ドル安は他通貨を持つ投資家にとって金を割安にするため、金需要が高まりました。

安全資産需要の高まり

米政府機関閉鎖リスクや景気不透明感が投資家心理を冷やし、「安全資産」とされる金に資金が流入しました。

地政学リスクと中央銀行の買い増し

ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の緊張が続いています。

さらに、新興国を中心に各国中央銀行がドル離れを進め、金の購入を拡大しており、長期的な支援要因になっています。

金を裏付けとするETF(上場投資信託)への資金流入も続いています。


ニューヨーク金市場の全体総括

この日のニューヨーク金市場は、FRBの追加利下げ観測やドル安、そして安全資産需要の高まりを背景に、史上最高値を更新しました。

短期的には米金融政策と政府閉鎖リスクへの警戒が相場を押し上げています。

中長期的には地政学的緊張や各国中央銀行による金購入の流れが強い下支え要因となっており、結果として、金相場は強気基調を維持しているといえます。


今回は、2025年9月29日の経済情報(株式・債券・為替・原油・金)をついてポイント解説しました。今後も重要な発言や経済指標などを分かりやすく整理してお伝えしていきます。

出典:
ブルームバーグ:【日本市況】日経平均反落、米株安や関税懸念-債券は長期債中心下落
ブルームバーグ:【米国市況】株反発、FRB利下げ維持との安心感-円は一時149円台前半
ロイター:NY市場サマリー(26日) ドル2週連続高、株反発 長期債利回り上昇

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