デイリー経済情報

2025年10月1日の経済情報まとめ|株式・債券・為替・金

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経済・金融ニュースは毎日あふれていますが、「結局どの情報が重要で、なにが相場が動かしているのか」を短時間で把握するのはなかなか大変です。

このブログでは、ブルームバーグやロイターなど信頼できる海外メディアを情報源に、日米を中心に要人発言や経済指標といった重要な経済ニュースをピックアップし、情報を読みやすく再構成してお届けしています。単なるニュースの要約にとどまらず、投資やトレードに活かせるポイントを意識しています。

例えばこんな方におすすめです:
・忙しくてニュースをじっくり読む時間がない方
・トレードにファンダメンタルズ分析を取り入れたい方
・経済ニュースの見方を効率よく学びたい方

記事を読むことで、情報収集の手間を減らしつつ、投資判断や知識の整理に役立てることができますので、ぜひ日々の情報収集にご活用ください。

今回は、2025年10月1日の経済情報(株式・債券・為替・金)についてポイント解説します。

米国株式市場

  • 米株式市場は主要3指数が4日続伸
  • 製薬株(ファイザーなど)上昇が市場を主導
  • テスラ、エヌビディアなど大型ハイテク株も堅調、半導体指数+2%上昇
  • アマゾンの低価格ブランド発表が好感される
  • 雇用指標の弱さ → 利下げ期待が株価の下支えに
  • ただし政府閉鎖リスクが残り、相場の不安定要因に

米国株式市場の動向

  • S&P500:6711.20(+0.34%)
  • ダウ平均:46441.10(+0.09%)
  • ナスダック:22755.16(+0.42%)

この日の米国株式市場は主要3指数がそろって4営業日続伸しました。

米政府機関閉鎖の不透明感や、予想を下回る民間雇用指標(ADP雇用統計)の弱さがあったものの、株式相場は堅調さを保ちました。

特に製薬株を中心とするヘルスケアセクターの上昇が全体を支えました。


上昇要因

製薬株の上昇

ファイザーがトランプ大統領と合意し、メディケイド向けの処方薬を先進国並みの価格に引き下げる方針を発表。

「新薬を最安水準で販売」との発表で安心感が広がり、ファイザー株は6%超上昇。イーライリリーやメルクなど他の製薬株も上昇しました。

ハイテク株の堅調さ

テスラやエヌビディアといった大型ハイテク株が買われ、フィラデルフィア半導体指数は2%上昇。

AI需要や成長期待が引き続き市場を支えました。

アマゾンの新戦略

アマゾンが低価格ブランド「アマゾン・グロサリー」を発表。生活必需品を5ドル以下で提供する方針が好感されました。

消費者の節約志向を取り込む戦略と受け止められ、株価にプラス材料となりました。


米国株式市場の全体総括

この日の米国株式市場は、景気減速懸念と政府閉鎖リスクという逆風を抱えながらも、個別企業の好材料やセクターごとの強さに支えられて4日続伸しました。

特にヘルスケアセクターの上昇が相場を下支えし、ハイテク株も堅調に推移しました。

雇用指標の弱さは追加利下げ期待を高め、株式にとってはプラスの材料となった面もあります。

ただし、政府閉鎖が長引けば経済に悪影響が出る可能性があるため、先行きは不透明さも残っています。


米国債市場

  • 米国債が大幅高(利回り急低下)
  • ADP雇用統計の予想外の減少 → 労働市場の軟化懸念
  • 年内2回の利下げ観測がほぼ織り込まれる
  • 政府閉鎖による統計遅延 → 弱い民間の雇用データが一層重視

米国債市場の動向

  • 米30年債利回り:4.71%(-0.48%)
  • 米10年債利回り:4.10%(-1.26%)
  • 米2年債利回り:3.53%(-2.10%)

この日の米国債市場では大幅に買われ、利回りが急低下しました。

とくに短期金利に敏感な2年債の利回りは、9月5日以来の大幅低下となりました。


利回り下落要因

弱い雇用指標(ADP民間雇用統計)

9月のADP民間雇用者数が予想外の減少を示し、労働市場の軟化を裏付けました。

雇用の弱さは、FRB(米連邦準備制度理事会)が追加利下げに動きやすくなる要因となります。

9月のADP民間雇用者数については別記事に整理しましたので、こちらもチェックしてみてください 👉2025年9月ADP民間雇用者数のポイント解説

利下げ観測の高まり

金利先物市場では、年内に0.25%の利下げが2回ある可能性がほぼ織り込まれました。

市場では「利下げで金利が下がれば、既存の国債の価値は高まる」と判断され、国債を買う動きが強まりました。

政府閉鎖による統計発表の遅れ

政府機関の閉鎖が続けば、雇用統計やCPIの発表が延期される可能性があります。

公式データが出にくい状況では、ADP統計など民間が発表するデータがより重視され、「利下げ余地拡大」との見方につながりました。


米国債市場の全体総括

この日の米国債市場は、政府閉鎖への懸念よりも雇用減少の衝撃を強く受け止めた形となりました。

労働市場の弱さが追加利下げ期待を押し上げ、国債が急伸(利回り急低下)しました。

短期債から長期債まで幅広く買いが入り、投資家が「安全資産」かつ「利下げ恩恵を受ける資産」として米国債を選好した様子がうかがえます。


為替市場(ドル円相場)

  • ドル円相場は147.11円(-0.54%)で終了
  • 東京市場:米政府機関閉鎖への警戒感や、日銀の追加利上げ観測が円を下支え
  • ニューヨーク市場:ADP雇用の大幅減少 → ドル売り加速、一時146円59銭まで下落
  • FRBの独立性が守られたとの報道で、引けにかけドル買い戻し
  • 全体として、雇用指標の弱さと政府閉鎖リスク → ドル安要因

為替市場(ドル円相場)の動向

  • ドル円終値:147.11(-0.54%)

この日のドル円相場は、ドルが下落し、ドル円相場は147円11銭(-0.54%)で取引を終えました。

一時は146円59銭まで下落し、8月下旬以来の水準となりました。

背景には、米政府機関の閉鎖懸念と、米雇用統計(ADP雇用)の予想外の弱さがあり、ドル売り・円買いが優勢となりました。


東京為替市場の動向

東京市場ではドル円は147円台前半に下落しました。

米政府機関閉鎖への警戒感や、日銀の追加利上げ観測が意識され、ドルの上値は重い展開でした。

日銀短観の発表後は一時的に円安方向へ振れましたが、内容が予想の範囲内だったため、市場は冷静に推移しました。


ニューヨーク為替市場の動向

NY市場ではドルが大きく売られる展開となりました。

ADP雇用統計が予想外に大幅減少し、米労働市場の弱さが意識され、FRBの年内2回の追加利下げ観測が強まりました。

その直後にドル売りが加速し、ドル円は一時146円59銭まで下落。

ただし、引けにかけてはFRBの独立性が守られたとの報道(トランプ大統領によるクック理事解任要請を最高裁が退けた)を受け、ややドル買い戻しが入りました。

9月のADP民間雇用者数については別記事に整理しましたので、こちらもチェックしてみてください 👉2025年9月ADP民間雇用者数のポイント解説


為替市場(ドル円相場)の全体総括

為替市場では、米雇用指標の弱さによる利下げ観測の強まりと、政府閉鎖リスクによるドル売りが重なり、ドル円は下落しました。

東京市場では日銀の利上げ期待が円を支え、ニューヨーク市場では雇用減少がドル安を一段と進めました。

短期的には、米経済指標の発表延期リスクと日米双方の金融政策の動向が、ドル円相場を押し下げる要因となっています。


ニューヨーク金市場

  • 金スポット価格は1オンス=3865.20ドル(+0.2%)で最高値更新
  • 一時3900ドルに迫る水準まで上昇、5日続伸
  • 米政府閉鎖リスクで「安全資産」として買い需要増加
  • ADP雇用の弱さ → FRB利下げ観測強まり、金に追い風

ニューヨーク金市場の動向

  • 金スポット価格:1オンス=3865.20ドル(+0.2%)

この日の金スポット価格は、1オンス=3865.20ドル(+0.2%)となり、最高値を更新しました。

一時は3900ドルに迫る水準(3895.38ドル)まで上昇し、5営業日連続の上昇となりました。

金価格は再び過去最高値を更新し、安全資産としての魅力が強まっています。


上昇要因

米政府機関の閉鎖リスク

政府閉鎖が長引くと重要な経済指標(雇用統計やCPIなど)が発表されず、市場の不透明感が高まります。

こうした政治・経済の不安定さは、資金が安全資産である金に流れ込みやすくなります。

米雇用指標の悪化と利下げ観測

ADP民間雇用者数が予想外に大幅減少し、米労働市場の弱さが意識されました。

これによりFRB(米連邦準備制度理事会)が年内に追加利下げを実施するとの見方が強まりました。

利下げはドル安要因となり、金の相対的な魅力を高めます。

9月のADP民間雇用者数については別記事に整理しましたので、こちらもチェックしてみてください 👉2025年9月ADP民間雇用者数のポイント解説


ニューヨーク金市場の全体総括

金市場は、米政府閉鎖のリスクと雇用悪化による利下げ観測を背景に、安全資産としての需要が強まりました。

ドル安の流れも加わり、金価格は連日の最高値更新となりました。

政治的混乱や景気不透明感が続く限り、金への資金流入は今後も続く可能性があります。


今回は、2025年10月1日の経済情報(株式・債券・為替・金)をついてポイント解説しました。今後も重要な発言や経済指標などを分かりやすく整理してお伝えしていきます。

出典:
ブルームバーグ:【日本市況】株下落、米政府機関閉鎖や利益確定売り-円は上昇
ブルームバーグ:【米国市況】国債急伸、政府閉鎖より雇用減の衝撃-ドル一時146円台
ロイター:NY市場サマリー(1日)株4日続伸、ドル下落 ・利回り低下

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