経済・金融ニュースは毎日あふれていますが、「結局どの情報が重要で、なにが相場が動かしているのか」を短時間で把握するのはなかなか大変です。
このブログでは、ブルームバーグやロイターなど信頼できる海外メディアを情報源に、日米を中心に要人発言や経済指標といった重要な経済ニュースをピックアップし、情報を読みやすく再構成してお届けしています。単なるニュースの要約にとどまらず、投資やトレードに活かせるポイントを意識しています。
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今回は、2025年9月米ISM製造業景況指数について分かりやすくポイント解説します。
2025年9月米ISM製造業景況指数のポイント解説
- ISM製造業景況指数は49.1(縮小圏、7カ月連続)
- 生産は拡大に回復したが、新規受注は再び縮小
- 雇用は改善も依然として低水準
- 仕入れ価格は低下が続き、インフレ圧力は和らぎつつある
- 需要不足と関税負担が企業活動の制約要因に
ISM製造業景況指数とは:米国の製造業における景気の先行指標
米ISM製造業景況指数は、米供給管理協会(ISM:Institute for Supply Management)が毎月発表する経済指標です。
製造業の購買担当者にアンケートを実施し、「新規受注」「生産」「雇用」「在庫」「仕入れ価格」などの動向を調査し、その回答を指数化して毎月公表しています。
- 50を上回る:製造業の活動が拡大している
- 50を下回る:製造業の活動が縮小している
購買担当者は企業の仕入れや発注の最前線にいるため、景気の変化をいち早く把握できる立場にあります。したがって、この指数は「景気の先行指標」として非常に注目されています。
米ISM製造業景況指数の動向:7カ月連続で縮小圏
- 9月の総合指数:49.1(予想:49、前月:48.7)
市場予想をわずかに上回ったものの、50を下回る=縮小の状態が7カ月連続で続いています。
主な指標の動向
- 新規受注指数:48.9(前月:51.4、再び縮小圏)
- 雇用指数:45.3(前月:43.8、改善も依然低迷)
- 生産指数:51.0(前月:54.2、拡大圏に回復)
- 仕入れ価格指数:61.9(前月:63.7、3カ月連続低下)
生産は持ち直したものの、需要(新規受注)が弱く、雇用も低調という不安定な状況が続いています。
縮小要因:需要の低迷と関税負担の影響
需要の低迷
新規受注指数は再び縮小に転じ、一部企業の回答には「業況が非常に低迷している」との声も見られました。
トランプ政権による関税措置で、鉄鋼や電子部品などでコスト増が広がり、一部企業では製品価格が20%近く上昇したとの報告もありました。
「最低水準に沈んでいる」との声もあり、結果として受注減少や業界全体の低迷を招いています。
雇用の抑制
数値的には改善が見られるが、依然として雇用は弱い水準にとどまります。
回答の64%が「現行人員の維持に重点を置いている」としており、積極的な雇用拡大にはほど遠い状況です。
仕入れ価格の低下
原材料コストが落ち着いてきたことで、インフレ圧力が和らぎ、消費者物価にも一定の緩和効果を与えています。
ただし、これが製造業全体の持続的な回復を後押しする段階には至っていません。
米ISM製造業景況指数の全体総括
9月のISM製造業景況指数は49.1と縮小圏が続いたものの、生産活動の持ち直しや価格上昇圧力の鈍化といった明るい兆しも見られました。
ただし、新規受注の低下や雇用の弱さが依然として重しとなっており、製造業全体の勢いは限定的です。
特に関税の影響が幅広い業種で続いており、製造業の活動を抑制しています。
米製造業は部分的な改善はありますが、全体としては縮小基調を脱しきれていない状態にあります。
今回は、2025年9月米ISM製造業景況指数について分かりやすくポイント解説しました。今後も重要な発言や経済指標などを分かりやすく整理してお伝えしていきます。
出典:
ブルームバーグ:米ISM製造業景況指数、7カ月連続の活動縮小を示す-受注が減少
ロイター:米9月ISM製造業景気指数、7カ月連続50割れ 新規受注・雇用さえず

