経済・金融ニュースは毎日あふれていますが、「結局どの情報が重要で、なにが相場が動かしているのか」を短時間で把握するのはなかなか大変です。
このブログでは、ブルームバーグやロイターなど信頼できる海外メディアを情報源に、日米を中心に要人発言や経済指標といった重要な経済ニュースをピックアップし、情報を読みやすく再構成してお届けしています。単なるニュースの要約にとどまらず、投資やトレードに活かせるポイントを意識しています。
例えばこんな方におすすめです:
・忙しくてニュースをじっくり読む時間がない方
・トレードにファンダメンタルズ分析を取り入れたい方
・経済ニュースの見方を効率よく学びたい方
記事を読むことで、情報収集の手間を減らしつつ、投資判断や知識の整理に役立てることができますので、ぜひ日々の情報収集にご活用ください。
今回は、2025年9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)について分かりやすくポイント解説します。
2025年9月米連邦公開市場委員会(FOMC)のポイント解説
- FRBは0.25%の利下げを決定(9か月ぶり)
- 賛成は11票、反対は1票、反対は0.50%利下げを主張した新任のミラン理事
- 年内(10月と12月)に合計0.5%の追加利下げが見込まれる
- パウエル議長は雇用リスクを重視、予防的な利下げと説明
- 事前予想通りの内容で株式・債券・為替の反応は限定的
決定内容:0.25%の利下げを決定
決定内容
今回のFOMCでは、フェデラルファンド(FF)金利の目標レンジを0.25%引き下げ、4.00~4.25%の範囲にすることを決定しました。
💡 FF金利とは、アメリカの銀行間で短期的に資金を貸し借りする際の金利のことです。あらゆる金利の土台であり、この金利が下がると、住宅ローンや企業の借入コストもじわじわ下がりやすく、景気の下支えにつながります。
賛成は11票、反対は1票で、唯一の反対は0.5%の大幅利下げを主張したミラン理事でした。
利下げの背景
2024年12月以来6会合ぶりの利下げであり、トランプ政権の2期目が始まってからは初の利下げとなります。
委員会は「雇用に対する下振れリスクが高まった」と判断し、景気の減速・失業率上昇を防ぐ「予防的な一手」として利下げに踏み切りました。
最新の金利・経済見通し:年内「合計0.50%」の追加利下げが中央値
FOMCメンバーの予想(いわゆる「ドットチャート」)によると:
- 年内にあと2回(10月・12月)0.25%ずつ利下げするとの予想が中央値
- ただし見方は分かれており、追加利下げなしと予想する人もいれば、1回だけと見る人もいる
- 2026年・2027年にも1回ずつ小幅な利下げが見込まれている
FRBは今後も段階的に金利を下げる方向を視野に入れていますが、急激な利下げではなく、経済指標を見ながら慎重に進める姿勢です。
パウエル議長の発言内容:雇用リスクを重視
記者会見でパウエル議長は次のような点を強調しました:
- 雇用市場はもはや「堅調」とは言えない、失業率上昇への懸念が強い
- インフレは依然高めだが、景気減速でインフレが長期化するリスクはやや和らいだ
- 今回の利下げは「リスク管理のための利下げ」であり、急いで利下げをする段階ではない
- 今後の金利政策は「会合ごとに判断」し、経済指標次第で変わる
パウエル議長は、雇用悪化を踏まえた予防的な利下げであることと、今後の政策は経済データ次第で流動的に調整する姿勢を明確にしました。
市場の反応(株式・債券・為替):「織り込み済み」ゆえに反応は限定的
米国株式
発表直後は一時プラスに浮上も、その後はもみ合い〜上げ幅縮小。
理由は「ほぼ市場予想通り」でサプライズが小さかったためです。短期的には“うわさで買って事実で売る”の展開になりやすいとの見方もありました。
パウエル議長が過度にハト派へ傾かなかったことも、リスク資産の一方向の押し上げを抑えました。
米国債
利下げ決定の発表後、一時買い(利回り低下)が先行。
しかし、パウエル議長の会見での慎重トーン(利下げを急がない・データ次第の姿勢)が伝わると、上げを失速(利回り持ち直し)。
為替(ドル/円)
発表直後、ドルインデックスは年初来安値付近まで軟化、ドル円も145.49円まで下落しました。しかし、その後は急速に下げを埋める展開。
今回は、2025年9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)について分かりやすくポイント解説しました。今後も重要な発言や経済指標などを分かりやすく整理してお伝えしていきます。
出典:
ブルームバーグ:FOMCが25bp利下げ、パウエル議長が労働市場の良い時代終了を宣言
ブルームバーグ:【米国市況】国債とS&P500が下落、予想通りの利下げで売り-円も下げ
ロイター:FRB0.25%利下げ、6会合ぶり 雇用にらみ年内あと2回の緩和示唆

