経済・金融ニュースは毎日あふれていますが、「結局どの情報が重要で、なにが相場が動かしているのか」を短時間で把握するのはなかなか大変です。
このブログでは、ブルームバーグやロイターなど信頼できる海外メディアを情報源に、日米を中心に要人発言や経済指標といった重要な経済ニュースをピックアップし、情報を読みやすく再構成してお届けしています。単なるニュースの要約にとどまらず、投資やトレードに活かせるポイントを意識しています。
例えばこんな方におすすめです:
・忙しくてニュースをじっくり読む時間がない方
・トレードにファンダメンタルズ分析を取り入れたい方
・経済ニュースの見方を効率よく学びたい方
記事を読むことで、情報収集の手間を減らしつつ、投資判断や知識の整理に役立てることができますので、ぜひ日々の情報収集にご活用ください。
今回は、2025年9月米購買担当者景気指数(PMI)速報値について分かりやすくポイント解説します。
2025年9月米購買担当者景気指数(PMI)速報値のポイント解説
- 総合PMIは2カ月連続低下、景気拡大の勢いが鈍化
- 高関税によるコスト増、需要減で販売価格に転嫁できず利益率が圧迫
- 製造業の在庫は2007年以来最大の増加
- 雇用指数は5カ月ぶりの低水準に下落、人員削減の動きも
- インフレ抑制・金利低下期待で企業心理は一定の楽観も残る
米購買担当者景気指数(PMI)とは:景気を映す先行指標
米購買担当者景気指数(PMI:Purchasing Managers Index)は、製造業やサービス業の購買担当者に対してアンケートを実施し、景気の強さを数値化した指標です。
新規受注・生産・雇用・在庫・価格動向などの回答を指数化することで算出されます。数値は50を基準にして、
- 50より上 → 景気が拡大を示します
- 50より下 → 景気が縮小を示します
速報値が毎月下旬に発表されます。確報値が翌月の第1週に発表されます。
速報値は市場の先行指標として注目される一方、確報値はより正確な数値を確認するための指標として位置づけられます。
PMIの動向:2カ月連続の低下で景気の勢いに陰り
- 総合PMI:53.6(前月54.6、市場予想54)
- 製造業PMI:52(前月53、市場予想52.2)
- サービス業PMI:53.9(前月54.5、市場予想54)
9月の米PMIは製造業・サービス業ともに低下し、総合PMIは3カ月ぶりの低水準となりました。
いずれの指数も50を上回っており景気は拡大圏にありますが、景気の拡大ペースが鈍化していることが示されました。
PMI低下の背景:コスト上昇と需要鈍化の二重苦
関税によるコスト増
トランプ政権による高関税措置が企業の仕入れコストを押し上げました。
しかし需要が弱く、販売価格への転嫁が困難で、企業の利益率が圧迫されています。
ただし、発表元のS&Pグローバルは「コスト増が利益率を削っている一方で、インフレ抑制にはプラス」と指摘しています。
需要の鈍化と在庫の積み上がり
製造業の販売が伸び悩み、完成品在庫は2007年以来最大の増加。
新規受注は小幅減少、輸出受注は低調なままで、企業の活動に慎重さが広がっています。
雇用指数の悪化と人員削減の動き
総合PMIの雇用指数は5カ月ぶりの低水準に下落。
一部の企業では欠員を埋めない、あるいは人員削減に動くケースが増えており、コスト削減に焦点が移っています。
PMIの全体総括
今回のPMIデータは、米企業活動の勢いがやや鈍化していることを示す内容となりました。
関税によるコスト上昇が続く一方、需要の弱まりで販売価格を上げられない企業が増え、利益率への圧迫が鮮明です。
ただし、インフレ抑制や金利低下期待から、先行きへの悲観は限定的で、今後のFRBの金融政策や需要回復が注目されます。
今回は、2025年9月米購買担当者景気指数(PMI)速報値について分かりやすくポイント解説しました。今後も重要な発言や経済指標などを分かりやすく整理してお伝えしていきます。
出典:
ブルームバーグ:米総合PMI、3カ月ぶり水準に低下-需要減速で値上げの動き鈍化
ロイター:米総合PMI、9月は53.6 関税影響で2カ月連続低下

