経済指標

2025年9月米CB消費者信頼感指数のポイント解説

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経済・金融ニュースは毎日あふれていますが、「結局どの情報が重要で、なにが相場が動かしているのか」を短時間で把握するのはなかなか大変です。

このブログでは、ブルームバーグやロイターなど信頼できる海外メディアを情報源に、日米を中心に要人発言や経済指標といった重要な経済ニュースをピックアップし、情報を読みやすく再構成してお届けしています。単なるニュースの要約にとどまらず、投資やトレードに活かせるポイントを意識しています。

例えばこんな方におすすめです:
・忙しくてニュースをじっくり読む時間がない方
・トレードにファンダメンタルズ分析を取り入れたい方
・経済ニュースの見方を効率よく学びたい方

記事を読むことで、情報収集の手間を減らしつつ、投資判断や知識の整理に役立てることができますので、ぜひ日々の情報収集にご活用ください。

今回は、2025年9月米CB消費者信頼感指数について分かりやすくポイント解説します。

2025年9月米CB消費者信頼感指数のポイント解説

  • 9月の消費者信頼感指数は94.2(前月97.8)と5カ月ぶり低水準
  • 現状指数・期待指数ともに低下し、特に現状への不安感が拡大
  • 労働市場への懸念の高まりが主な低下要因
  • 「雇用が豊富」と答えた割合が30.2%から26.9%に低下(2021年以来の低水準)
  • 消費支出は底堅さを保つも、先行き不透明感が強まる

米CB消費者信頼感指数とは:消費者動向の先行指数

米CB消費者信頼感指数とは、米国の民間調査機関「コンファレンス・ボード(Conference Board)」が毎月発表している指標です。

全米の世帯を対象に、米国の消費者が「現在の経済状況」や「今後の景気見通し」をどう感じているかをアンケートで調査し、その結果を指数化したものです。

この指数の基準値は100で、数値が100を上回るほど「楽観的」、下回るほど「悲観的」な傾向を示します。

  • 100を上回る場合:消費者が経済や雇用の先行きに「自信や安心感」を持っている
  • 100を下回る場合:消費者が「将来への不安」や「先行きの弱さ」を感じている

米国経済では個人消費がGDPの約7割を占めるため、この指数は「消費動向の先行指標」として非常に重視されています。


米CB消費者信頼感指数の動向:5カ月ぶりの低水準に

  • 9月の総合指数:94.2(予想:96.0、前月:97.8)

前月から3.6ポイント低下し、5カ月ぶりの低水準となり、消費者心理の弱まりが示唆されました。

内訳をみると、

  • 現状指数※現在の雇用や景気の実感:125.4(前月132.4)
  • 期待指数※今後6か月の見通しに対する期待:73.4(前月74.7)

いずれも低下しており、特に現状指数の悪化が目立ちます。


低下要因:雇用環境の悪化懸念が心理を圧迫

今回の低下には、労働市場の減速懸念が大きく影響しました。

雇用が豊富にある」と回答した人の割合は26.9%と、前月の30.2%から低下し、2021年2月以来の低水準となりました。

一方で、「職を得るのが難しい」と感じる割合はほぼ横ばいながら、依然として高い水準にあります。

これにより、雇用環境の強さを測る「労働市場格差指数(職が十分 − 就職困難)」は、11.1 → 7.8へと低下した。

つまり、「良い仕事が減っている」と感じる人が増え、雇用の勢いが鈍化していることを示唆している。


米CB消費者信頼感指数の全体総括

9月の米CB消費者信頼感指数は、労働市場への懸念が消費者心理を冷やす形で低下しました。

現状・期待ともに下がり、特にアンケートでは「雇用が豊富」との回答が大きく減少した点は注目されます。

一方で、依然として個人消費そのものは底堅さを維持しているとの状況にあり、米景気が直ちに後退局面に入ったわけではありません。

しかし、雇用環境の鈍化が長期化すれば、消費活動や景気全体の減速リスクが高まるため、今後の指標発表やFRB(米連邦準備制度)の判断が一層注目されます。


今回は、2025年9月米CB消費者信頼感指数について分かりやすくポイント解説しました。今後も重要な発言や経済指標などを分かりやすく整理してお伝えしていきます。

出典:
ブルームバーグ:米消費者信頼感、5カ月ぶり低水準-労働市場減速への懸念色濃く
ロイター:米CB消費者信頼感、9月は予想下回る 雇用機会巡る懸念の高まりで

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