デイリー経済情報

2025年9月11日の経済情報まとめ|株式・債券・為替・金

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経済・金融ニュースは毎日あふれていますが、「結局どの情報が重要で、なにが相場が動かしているのか」を短時間で把握するのはなかなか大変です。

このブログでは、ブルームバーグやロイターなど信頼できる海外メディアを情報源に、日米を中心に要人発言や経済指標といった重要な経済ニュースをピックアップし、情報を読みやすく再構成してお届けしています。単なるニュースの要約にとどまらず、投資やトレードに活かせるポイントを意識しています。

例えばこんな方におすすめです:
・忙しくてニュースをじっくり読む時間がない方
・トレードにファンダメンタルズ分析を取り入れたい方
・経済ニュースの見方を効率よく学びたい方

記事を読むことで、情報収集の手間を減らしつつ、投資判断や知識の整理に役立てることができますので、ぜひ日々の情報収集にご活用ください。

今回は、2025年9月11日の経済情報(株式・債券・為替・金)をわかりやすくポイント解説します。

米国株式市場:利下げ観測強まり主要3指数が最高値更新

  • 米主要3指数は利下げ観測の強まりを背景に過去最高値を更新しました
  • CPIは2.9%上昇しつつも、インフレは制御不能な水準には至らず、FRBの政策余地が広がりました
  • 新規失業保険申請件数の急増が追加利下げの可能性を一段と高めました
  • 市場では年内3回の段階的利下げに加え、50bp利下げの可能性まで視野に入れた金融緩和が意識されています

米国株式市場の動向

  • S&P500:6587.47(+0.85%)
  • ダウ平均:46108.00(+1.36%)
  • ナスダック:22043.07(+0.72%)

S&P500・ダウ平均・ナスダックがいずれも終値ベースで過去最高値を更新しました。

インフレ指標が落ち着いた内容となり、物価上昇への警戒感が後退。

雇用市場の冷え込みを示す統計が発表され、FOMCの年内利下げ観測が強まり買いが加速しました。

上昇要因:インフレ鈍化と雇用市場の弱さが追い風

消費者物価指数(CPI)の影響

労働省が発表した8月のCPIは前年比2.9%上昇し、前月の2.7%を上回る伸びとなりました。

依然としてFOMCの2%目標を上回っていますが、制御不能な水準には至っておらず、市場関係者からは「インフレが比較的落ち着いていることが確認された」との声が上がりました。

これにより、FRBはインフレ抑制から労働市場の安定へと政策の重点を移しやすくなり、年内に合計3回の段階的利下げが見込まれる状況となっています。

CPI発表の詳細はこの記事で分かりやすくまとめています
2025年8月の米消費者物価指数(CPI)についてポイント解説

新規失業保険申請件数の急増

一方で、9月6日までの1週間の新規失業保険申請件数は26万3000件と、2021年10月以来およそ4年ぶりの高水準となりました。

これにより労働市場の減速が鮮明となり、FOMCが0.25ポイントの利下げに加えて0.5ポイントの利下げや連続利下げを検討する可能性が指摘されています。

市場では「失業保険統計の急増がCPIの影響を上回り、FRBはより積極的な緩和策を検討せざるを得ない」との見方が強まっています。


米国債相場:利下げ観測強まり利回りは続落

  • 米国債相場は続伸し、30年債・10年債・2年債の利回りがそろって低下しました
  • 失業保険統計とCPIが発表され、FRBの利下げ観測を一段と強めました
  • 中長期債の入札では強い需要が確認され、低利回りでも投資家が積極的に購入しました
  • 市場では年内3回の25bp利下げが織り込まれ、50bp利下げの可能性も僅かながら織り込まれています

米国債相場の動向

  • 米30年債利回り:4.66%(前日比 -4.0bp)
  • 米10年債利回り:4.02%(前日比 -2.3bp)
  • 米2年債利回り:3.54%(前日比 -0.2bp)

米国債相場は続伸し、各年限の利回りは下落しました。

この日の米国債相場は、失業保険申請件数と消費者物価指数(CPI)が発表され、FRBの利下げ観測を一段と強めたことが背景にあります。

特に失業保険統計が労働市場の減速を示唆し、FRBが来週の会合で今年初の利下げに踏み切るとの見方が強まりました。

中長期債入札の動向と需要の強さ

中長期債入札の結果

今週実施された3年債・10年債・30年債の入札はいずれも堅調な需要が確認されました。

特に3年債と10年債では落札利回りが入札前取引を下回り、低利回りでも投資家が積極的に購入したことを示しました。30年債入札の落札利回りは4.651%と、入札前の水準と一致し、需要はおおむね市場予想通りでした。

利回り曲線の動き

落札利回りが低水準にあるにもかかわらず需要が強いことは、投資家が今後の利下げや景気減速を見込んで安全資産を確保しようとしていることを意味します。

この動きは特に長期債で顕著に見られ、利回りの低下が続きました。

👉 中長期債入札は予想以上の需要を集め、投資家が景気減速や利下げを見込み安全資産を確保する動きが鮮明になりました。

利下げの見通し:市場が織り込む3回の利下げ

市場では、年内残り3回のFOMC会合すべてで25bpの利下げが行われるとの見方が完全に織り込まれました。

  • 来週の会合で25bp利下げの確率:91%
  • 来週の会合で50bp利下げの確率:9%

👉 失業保険統計やCPIの結果を受け、労働市場の減速とインフレ鈍化の両面からFRBの利下げ姿勢が正当化されるとの見方が市場で強まっています。

為替市場(ドル円相場):利下げ観測強まりドルが反転下落

  • 東京市場では高市氏の出馬報道を背景に円売りが一時的に強まりました
  • ニューヨーク市場ではCPIはおおむね予想通りだった一方、失業保険申請件数の急増がドル売りを誘発しました
  • 日本の政治要因の影響は限定的で、為替相場の本格的な方向性は米経済指標とFRBの政策運営が左右する状況にあります
  • ドル/円終値:147.44 円(0.02%)

👉 東京市場では政治報道を受けた一時的な円売りが見らましたが、ニューヨーク市場では失業保険申請の急増がドル売りを主導し、FRBの利下げ観測をさらに強める結果となりました。

東京為替市場の動向:高市早苗氏が出馬報道で円売り優勢

円売りの背景

東京時間のドル円相場は147円台後半で推移しました。

高市氏が自民党総裁選に出馬する意向を伝えたとの報道が伝わり、市場では金融政策に慎重な姿勢が続くとの見方が広がり、一時的に円売りが優勢となりました。

市場の見方

市場関係者は、この円売りについて「反応はやや過剰」と指摘しています。

実際には欧州時間入りにかけて大口の売買があった可能性もあり、政治要因だけでなく短期的な需給要因も相場を動かしたと見られます。

ニューヨーク為替市場の動向:CPIと失業保険統計でドル反転

CPIと失業保険申請件数の影響

ニューヨーク市場ではドル指数が下落しました。CPIが予想通りの内容にとどまった一方、新規失業保険申請件数が4年ぶりの高水準に急増し、来週の利下げ観測が一段と強まったことがドル売りを誘発しました。

ドル円相場はCPI発表直後に一時148円17銭まで上昇したものの、その後は売りに押され、一時146円99銭まで下落しました。

市場関係者の見解

CPIは大きく上振れせず、FRBの政策スタンスを変えるほどの材料にはならなかったとの見方が大勢です。

失業保険申請件数の急増が市場の主役となり、FRBの二重責務のうち最大雇用への焦点が強まる可能性が指摘されました。


ニューヨーク金相場:最高値更新後の小動き

  • CPIと失業保険申請の発表を受け、9月の利下げ再開見通しは維持されました
  • ただし、連日の最高値更新後の高値警戒感が強まり、買いが手控えられました
  • 利益確定売りと新規材料不足により、金相場は小幅安にとどまりました
  • 年初来40%近い上昇を背景に、金ETFへの資金流入は依然として堅調です

金相場の動向:9月利下げ見通しが下支え

  • 金スポット価格:1オンス=3633.31ドル(-0.2%)

ニューヨーク金スポット相場は、米消費者物価指数(CPI)と失業保険申請のデータ発表を受け、インフレ再燃懸念と雇用情勢の悪化が入り混じる展開となりました。

市場では9月の利下げ再開見通しが変わらず維持され、利子を生まない資産である金にとって支援材料となりました。

ただし、このところ連日で最高値を更新してきたこともあり、新たな買い材料は乏しく、取引はマイナス圏での小動きにとどまりました。

下落要因:高値警戒感と新規材料不足

高値更新後の利益確定売り

金価格は今年に入り40%近く上昇し、主要商品の中でも特に好調なパフォーマンスを見せてきました。

こうした急上昇の後には、投資家が利益確定のための売りに動く傾向が強まり、相場の上値を抑えました。

新規材料の不足

米利下げ期待や地政学リスクといった従来の支援材料は依然として存在するものの、新たな買い材料が出なかったことが、金相場の方向感の欠如につながりました。

今回は、2025年9月11日の経済情報(株式・債券・為替・金)をわかりやすくポイント解説しました。今後も重要な発言や経済指標などを分かりやすく整理してお伝えしていきます。

出典:
ブルームバーグ:【日本市況】日経平均は連日最高値、オラクル効果継続でAI関連けん引
ブルームバーグ:【米国市況】主要株価指数が最高値、CPIで利下げへの環境整う
ロイター:NY市場サマリー(11日)米国株は主要3指数が最高値更新、ドル下落、利回り低下

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